- 2024年4月19日
日本銀行の黒田東彦総裁の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏が起用されることが発表されました。
副総裁には内田真一理事、氷見野良三前金融庁長官が内定しています。
日銀の方針によって、金利や為替に大きな影響があるだけに、私たちの生活にも大きな影響があるのかが気になります。
物価高で苦しむ今で、物価高は落ち着くのか、住宅ローンなどの金利はどのようになるのか。
この日銀総裁人事でどのように生活は変わるのでしょうか?
植田和男氏プロフィール
植田 和男(うえだ・かずお)
71歳
静岡県出身。
1974年に東京大学理学部を卒業後、ブリティッシュコロンビア大経済学部助教授、大阪大経済学部助教授を経て、1993年東大経済学部教授。
1998年から7年間は日銀の審議委員を務め、1999年の「ゼロ金利政策」や2001年の「量的緩和政策」の導入を理論面で支える。
2005年東大大学院経済学研究科教授。2017年共立女子大教授。
日銀が採用したゼロ金利政策や世の中のお金の量を増やす量的金融緩和といった非伝統的な景気刺激手段を理論面から支えたことを、岸田首相は高く評価したようです。
植田氏の会見
植田氏は同日夜、都内で記者団に対し、「現時点では何も申し上げられません」と述べました。
政府・日銀の共同声明を踏襲するのかとの質問に対しては、「まだ決まったわけではない」とし、「来週以降、話す機会があればそこでと思います」と語っています。
ただし、日銀の大規模な金融緩和については継続が必要との考えを示しています。
現状の景気と物価からすると現在の日銀の政策は適切であり、当面は、金融緩和を続ける必要があると述べています。
黒田総裁の下で10年続いてきた金融緩和を急に転換すれば、金融市場の混乱を招きかねないとの認識があるという認識のようです。
昨年7月の日本経済新聞記事では、以下のように執筆しております。
- インフレ率の一時的な2%超えで金利引き上げを急ぐべきではない
- 持続的な2%インフレ達成への道のりは長い
- 現在の金融緩和は微調整が難しい仕組みになっており、出口(金融緩和の終了)に向けた戦略を立てる必要がある
拙速な金利引き上げを急ぐべきではないという主張であり、現行の金融緩和政策を当面は踏襲することが予想されます。
市場の動向
次期日銀総裁の有力候補に植田氏は入っていませんでした。
多くが雨宮正佳副総裁の昇格を考えていましたが、政府は黒田氏の後任総裁として雨宮氏に当初打診したが、雨宮氏が辞退したといわれています。
植田氏を日銀総裁に指名したことは、市場にはサプライズとなりました。
外国為替市場では円が対ドルで1%超上昇し、一時1ドル=129円台を付けています。
新発10年物国債利回りは日銀の許容上限の0.5%まで上昇し、株式先物相場は下落しています。
総裁のひと言がマーケットを大きく動かすこともあり、その言動には世界の市場関係者からの関心が寄せられています。
債券市場では金融引き締めに積極的なことをタカ派的であると言い、逆に金融緩和に積極的なことをハト派的であると言いいますが、植田氏日銀政策委員会で現在優勢なハト派寄りスタンスよりも、ややタカ派寄りな中立姿勢をもたらすだろうと考えられています。
タカ派とかハト派という色もなく、必要な正しい政策をとるだろうという意見もあるようです。
家計への影響
当面は現行の金融緩和政策が維持されることが予想されます。
そうした中でも金融緩和の枠組み、とくに長期金利を0%からプラスマイナスゼロ0.50%の範囲に留める長期金利操作についてメスを入れる検討をはじめる可能性はありそうです。
こうなった場合、影響を受けるのは変動金利ではなく固定金利です。固定金利はここ1年上昇が続いていますが、「将来的に日銀が政策修正し長期金利が上昇するかも」という思惑が金利市場で燻ることで、結果的に固定金利は高止まりする可能性がありそうです。
家計にとっては、金利の上昇を通じた負担が増える可能性はあります。
日銀が昨年12月に長期金利の上限を0・25%から0・5%に拡大しただけで、銀行各社は長期金利に連動する金利固定型の住宅ローンの利率を上げています。
日銀がマイナス金利政策の撤廃などに動けば、住宅ローンの7割を占める変動型金利にも影響を及ぼしません。
住宅ローンの金利が上がれば、物価高で苦しむ家計をさらに苦しめることになります。
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sakura
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