小林製薬 紅麹「紅麹コレステヘルプ」自主回収 紅麹の副作用とは? - ソラ飛ぶイルカ

小林製薬は、「紅麹(べにこうじ)」の成分を含む健康食品の摂取後に腎臓の病気などを発症したという報告があったことを受け、該当する3つの健康食品の自主回収を発表しました。

これらの健康食品は、コレステロールや血圧を下げる効果をうたったもので、「紅麹コレステヘルプ」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」、「ナイシヘルプ+コレステロール」が対象です。

紅麹コレステヘルプによる健康被害

2023年1月に「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人から腎臓の病気を発症したという報告がありました。

その後、体調不良を訴える患者は13人に増え、6人が入院する必要が生じ、そのうち2人は一時的に人工透析が必要な状態になりました。

被害者は40代から70代の男女で、むくみやけん怠感、尿の色が濃くなるなどの症状を訴えていました。

原因となった成分について

小林製薬によると、腎臓の病気を発症した人が摂取していた製品には同じロットの原料が使用されており、分析の結果、想定外の成分が含まれている可能性があることが判明しました。

ただし、紅麹を培養する過程で作られる可能性があるシトリニンという毒素は検出されませんでした。

現在も、どの成分が健康被害を引き起こしたのかは特定されていません。

紅麹とは

紅麹は、米などの穀類に紅麹菌を繁殖させて作られるもので、食品の着色料として古くから使用されています。

紅麹に含まれるロバスタチンという成分にはコレステロールを低下させる作用があり、紅麹由来の健康食品が多く販売されています。

しかし、紅麹菌の中にはシトリニンという毒素を作るものもあり、腎臓の病気を引き起こす恐れがあるとされています。

食品安全委員会の公式サイトによると、紅麹で発酵させた米に由来するサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害は、欧州で報告されていると言われています。

紅麹(べにこうじ)は、米などの穀類に紅麹菌(モナスカス属の菌)を繁殖させて作られる発酵食品で、古くからアジアの食文化において着色料や発酵調味料として利用されてきました。

紅麹には、コレステロールを下げる効果があるとされる「モナコリンK」という成分が含まれており、これが健康食品としての紅麹製品の人気につながっています。

しかし、紅麹の摂取には副作用のリスクも報告されています。

紅麹の副作用

  1. 筋肉障害: モナコリンKは、スタチンと同様の作用機序を持つため、スタチンと同じような副作用が発生する可能性があります。その一つが筋肉障害で、筋肉痛や筋力低下、稀にラブドミオリシス(筋肉が急速に破壊される病態)という重篤な状態に至ることがあります。
  2. 肝機能障害: スタチン類似の作用により、肝臓への影響も懸念されます。肝機能障害、肝炎などが報告されており、定期的な肝機能検査が推奨されることもあります。
  3. 腎臓の病気: 紅麹に含まれる可能性のある「シトリニン」という毒素が腎臓に悪影響を及ぼすことがあります。シトリニンは腎臓の機能を低下させ、腎不全を引き起こすリスクがあるとされています。

注意点

  • シトリニンのリスク: 紅麹菌の中にはシトリニンを生成する種もあり、シトリニンは腎毒性があるため、紅麹製品を選ぶ際にはシトリニンが検出されていないことを確認することが重要です。
  • 医薬品との相互作用: 紅麹製品は医薬品との相互作用があるため、特にスタチン系薬剤を服用している人は紅麹製品の摂取前に医師や薬剤師に相談することが推奨されます。
  • 摂取量と監視: 健康食品としての紅麹製品も、過剰摂取は避け、摂取する際には副作用に注意しながら、体調の変化に留意することが大切です。

紅麹製品の摂取には、これらの副作用のリスクが伴うため、利用する際には適切な知識と注意が必要です。特に、健康上の問題を抱えている場合や他の薬剤を服用している場合は、専門家のアドバイスを受けることが推奨されます。

欧州連合(EU)では、紅麹菌から生産される有毒物質「シトリニン」のサプリメント中の基準値を設定し、スイスでは紅麹を成分とする製品を巡り、食品や薬品として売買することは違法としています。

小林製薬の対応

小林製薬は、健康食品が原因となった可能性があるとして、約30万個の商品を自主回収し、消費者に対して今後の使用を中止するよう呼びかけています。

社長の小林章浩氏は、健康を害されたお客様に深くお詫びを申し上げるとともに、品質管理体制の不足を認め、再発防止に努めると述べました。

この事件は、健康食品の安全性に対する消費者の不安をあらためて浮き彫りにし、製造業者の責任と品質管理の重要性を示しています。

このほかにも他社で製造された紅麹を使った商品で、宝酒造は紅麹を使ったスパークリング日本酒の自主回収を発表、紀文食品は「国産いか使用いか塩辛」「いか塩辛3P」、ジェイアール東海高島屋(名古屋市)は和菓子売り場「豆福」で販売した豆菓子などの自主回収をそれぞれホームページ上で公表しています。

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